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執事×お嬢様(原文)

「……さま……おじょう……」 んん……。 眩しい……。 自然と眉根が寄る。 顔を右に背けると大分寝やすくなった。 「お嬢様、朝ですよ」 「ん……?」 誰だろう、この声……。 柔らかくて、聴き心地がいい……。 「ふふ……そんなに心地いい夢を見ていらっしゃるんですか? こちらで...

また会う日を楽しみに

「引っ越しの準備はもう終わったの?」 しんと静まり返った公園に、キィ……キィ……とブランコが軋む音を響かせる。 黒く染まった空に星はひとつも見えず、三日月でも半月でもない程度に欠けた月が遠くで鈍く輝いていた。 「うん、まぁ」...

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