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一般文芸っぽい文章の練習
タイトルの通り、普段のケータイ小説的、あるいはライトノベル的文章ではなく、一般文芸寄りの文章を練習した結果の書き散らし集です。 ストーリー性はほぼなく、苦手な文体を練習して1シーン書いてみただけなので、暇潰しに文字を読みたい方にオススメ。 (※つまり読み物には向きません) その点を踏まえてどうぞ。 ・駅のホームにて 茜色の空に、薄雲が尾を伸ばしている。 上りのホームと、下りのホーム。向かい合う二つのホームの屋根で切り取られた空は、地上の灰色とは別世界のように、自然の美しさを静かに魅せていた。 「まもなく電車が到着します」 ホームに響く無機質なアナウンス。どこからか漂ってきたコーヒーの匂い。なんの感慨もなく茜色の空に灰色を侵食させる日常が、わずかに私の胸をざらつかせた。 夏の気配も薄れた、ひんやりとした風がホームを吹き抜ける。それでも、ホームにごった返す人々がまとった汗の匂いや、蒸し暑さ、ざわざわとした雑音が、この場所からかき消えることはなかった。 せいぜい鞄からスマホを取り出して、胸の前でいじるくらいの隙間しかない、ぎゅうぎゅう詰め
9月19日読了時間: 5分
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