top of page

140字まとめ


【お題:年末年始】


 切れたお酒を買いに来たついでに、カウントダウンをしている公園へ来てみた。


「3! 2! 1!」


 ハッピーニューイヤー、の声を聞きながら、缶を開けてお酒をぐびり。


「ははっ、仲間がいる」

「え?」

「あ、すみません」


 缶ビールを持ったイケメンに笑いかけられて、私は照れながら缶を持ち上げた。



fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。


新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

2024.12.31





【お題:お酒】


 お酒なんて嫌い。

 父が悪魔になるクスリだから。

 私はお酒のせいで帰る家を失くした。


 だから、拾ってくれたあなたのことも嫌い。

 毎晩飲んだくれて。


「ひとみちゃん、こっち来て。ぎゅーしたい」


 ……でも、あなたの酔い方は好きになれそう、なんて。


「ひっつかないで、酔っ払い」


 まだ、内緒だよ。



fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

2025.01.14





【お題:お酒】


「うわっ! も~、また飲んでたんですかぁ?」


 事務所に入るなり、濃密な臭いに迎えられる。

 男前を自称する探偵さんはソファーに倒れ伏していた。


「また振られた……なんでだ……」

「キザな振る舞いばかりするからでしょう」

「おまっ、俺泣くぞぉ……?」


 全く……私なら“はい”って答えるのに。



fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

2025.01.18






【お題:料理】


 材料は用意されている。

 料理をした経験はないが、彼は自分に任せてと言って、女性を追い出した。


 白い卵を手に取る。

 調理台に卵を打ちつけると――ヒビが入らなかった。

 彼はふたたび卵を打ちつける。

 ――ぐしゃっ


「うわーん、ママー!」


 卵の残骸を見た彼は、子供らしく大泣きしたのだった。



fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

2025.01.20





【お題:バレンタイン】


 いつもは食べないビターチョコ。

 刻んで溶かして、生クリームと混ぜて、冷やして。

 出来上がった生チョコを一口味見すると、


「うっ」


 苦い……。

 お砂糖を足したくなる気持ちをこらえて、容器に詰めた。


 明日は、付き合って初めてのバレンタイン。

 暁先輩に、美味しいって言ってもらえたら嬉しいな。


fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

もっと、近づいて。(試し読み)のヒロイン×ヒーローとなります。

2025.02.09





【お題:バレンタイン】


 2月14日。朝からさゆりがそわそわしている。

 しかし、内気な彼女からの贈り物はなく。

 いつもの帰り道を2人で歩いた。

 繋いだ手は、冷え切っている。


「……さゆり」

「ひゃいっ」


 そろそろ待ちきれない。


「その紙袋、何が入ってるんだ?」


 真っ赤な顔で差し出されたチョコは、何よりも甘かった。


fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

もっと、近づいて。(試し読み)のヒロイン×ヒーローとなります。

2025.02.09





・折本(コピー本)

↑よりPDFをダウンロードして、A4用紙に印刷することで、折本が作れます。


折本の作り方はこちら↓






【お題:春】


「ねぇ、春はまだかな?」

「11月に何を仰います」


 彼女にツッコんでから、スマホを持つ。


「でもでも、桜が見たいんだよ~!」

「いやぁ、冬に言われてもねぇ……」


 桜と検索して、出てきた動画を開いた。


「おや、こんなところに春の気配が」

「あー! 桜だ!!」


 眩しい笑顔は春のよう、なんて。


fin.


海月いおりさん(https://x.com/k_iori25 )のX企画に参加しました。

2025.02.17





【お題:いちご】


 苺谷君はいちごが好きな男の子。

 昼休みには、学校の購買で必ずいちごミルクを買っていく。


「苺谷君、今日から購買に新商品が並ぶんだ。よかったら来てね」


 購買部の私が、いちごパンの入荷をこっそり教えると。


「ふーん。分かった、サンキュ」


 クールな性格が沼と噂の苺谷君は、目を細めて微笑んだ。


fin.


白崎ななさん(https://x.com/shirasaki_nana?s=21 )がXで企画している140字小説に参加しました。

2025.02.25

最新記事

すべて表示

最後の物語

「うーん、なんか違うなぁ……」 キーボードを打っていた手を止めて、イスの背もたれに背中を預ける。 溜息を吐き出すと、どっと疲れが襲ってきた。 「一旦休憩にしよ」 私は呟いて、イスから立ち上がる。 リビングで紅茶を淹れよう。 「うん、いい香り。この赤さがいいよね」...

テーマ「初雪」

はらり、と茶色の葉っぱが落ちる。 それと入り交じるように、ふわっとした大粒の雪がゆっくりと地面に向かっていった。 それは地面につくと、幻だったかのように消えてしまう。 いや、それは事実、白銀の髪を後ろに尖らせた男性、アランが披露した魔法だった。...

Comments


© 2035 トレイン・オブ・ソート Wix.comを使って作成されました

bottom of page