2023年9月22日読了時間: 3分ショートショート(SS)【600字以下】13歳の誕生日・晴れver 目が覚めると、ワクワクで胸がいっぱいになった。 なんてったって、今日は僕が13歳になる日。 13回目の、誕生日なんだ。 窓を見ると、カーテンはまだ閉まっている。 僕はゴソゴソと布団から抜け出して、窓の前に立った。 シャッ...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】卒業今まで、私の卒業は涙と共にあった。 「そんなに泣く?」って、友達も泣きながら笑うくらい、大泣きしていた。 でもね、今日は涙で迎えたくないんだ。 だって、メイクが崩れちゃうし、君と迎える特別な日だし。 緊張してるけど、口紅が取れないように水も飲んでいない。...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】水の入ったコップ透き通ったガラスのコップ。その中に入った水が半分ほどだったら。“もう半分”かと捉えるか、“まだ半分”と捉えるか、という話があるらしい。 僕はきっと、もう半分かと思うだろう。 そんなことを、実際に半分まで水が減ったコップを眺めながら思う。 「なーにしてるの?」...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】時計チク、タク、チク、タク……。 僕は秒針の音が好きだ。針が動く様も、見ていて飽きない。 友達からは変わった趣味と言われるけど、この心地良さが理解できない周りの方が変わってる。 そう思うのも、またおかしいと言われるのかもしれない。...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】迷い込んだ■■■気がついたら、どことも分からない真っ白な場所にいた。 首を傾げてみる。さらりと髪が垂れた。でも視界の端に映ったのは、いつもと違う白色だ。 なんでだろう。右手で髪を持ち上げてみる。ひんやりしていた。 じーっと見つめても白い髪は黒くならないので、今度は手を伸ばしてみた。もやに触...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】君へ、おやすみ本当はね、こんなことしたくないんだよ。私は君といる時間が心地よかった。 幸せというのは、君と共にあるんだと、本気で思っていたんだ。 ザクッ……パララ…… ザクッ……パララ…… 頬を伝って、雫が落ちる。君に、まばらな雨が降る。 掘り返した土を、君の体にそっとかけて。...
2023年9月2日読了時間: 1分ショートショート(SS)【600字以下】君の痕跡一昨日も、昨日も。そして今日も、手に取った服の皺が気になった。 服の皺なんて、当然のようにあるもののはずなのに……どうして目につくんだろう。 毎朝、ほんの少し不思議に思ったことが、皺ひとつない綺麗な服を見つけて、ストンと、腑に落ちた。...