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【BL】1人、飴を噛み砕く

飴を噛み砕く。コーヒーの匂いが口の中に広がる。苦みが舌に刺さる。決して美味しくはない。 けれど、これでいい。 「優理(ゆうり)って甘党なのに飴だけはコーヒー味が好きだよな」 「うん、まぁね」 鷹杜(たかと)くんが隣にいる時だけだよ、とは言えずに微笑んだ。...

【BL】一途な恋に、溶かされる

同性が好きなんて、言えなかった。 俺を異端な存在だと思っているのは、誰よりも俺自身だ。 ずっと隠し通すつもりだった。異性と付き合って、結婚して。 “普通”に紛れて死んでいきたかったのに。 「先輩、僕と付き合ってくれませんか?」...

【600字以下】卒業

今まで、私の卒業は涙と共にあった。 「そんなに泣く?」って、友達も泣きながら笑うくらい、大泣きしていた。 でもね、今日は涙で迎えたくないんだ。 だって、メイクが崩れちゃうし、君と迎える特別な日だし。 緊張してるけど、口紅が取れないように水も飲んでいない。...

【600字以下】水の入ったコップ

透き通ったガラスのコップ。その中に入った水が半分ほどだったら。“もう半分”かと捉えるか、“まだ半分”と捉えるか、という話があるらしい。 僕はきっと、もう半分かと思うだろう。 そんなことを、実際に半分まで水が減ったコップを眺めながら思う。 「なーにしてるの?」...

© 2023 Yuino's garden / 結之志希

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